SERVICEメンテナンス
薪ストーブ・煙突メンテナンスとリンクウッドの薪配達の様子を紹介します。
安心で快適な薪ストーブ生活のススメ
薪ストーブのある暮らしを長く安全に、快適に続けるためには、オフシーズン中の「備え」が重要です。薪ストーブライフをトータルサポートする北海道リンクアップでは、主に5月から11月の間にメンテナンスや薪の配達を実施。今回は、その現場の様子をご紹介します。
プロ目線の定期的なメンテナンスで安心！
緑豊かな札幌市内の一角にこだわりの一軒家を建て、憧れだった薪ストーブを導入したHさん。「薪ストーブは炎を楽しむための補助暖房として導入しましたが、いざ使ってみると質の高い暖かさにすっかり魅せられてしまいました」と結局、この冬は週6日のペースで火を入れていたと話します。今回は2度目の冬に向けて、初めてのストーブメンテナンスを依頼しました。
メンテナンスは、煙突掃除とストーブ本体の分解掃除がメインです。「掃除で出てくる灰の色や量で、焚き方の善しあしがわかるんですよ」というストーブアドバイザーの高橋宣行さんの言葉に、Hさんも興味津々です。
薪ストーブの機種は、アーチ型の大きなガラス窓が特徴的で、重厚感のある「ドブレ760WD」。周囲をしっかりと養生した上で、ストーブの分解からメンテナンスが始まりました。
メンテナンスの際は、炉内外のパーツをできる限り取り外して丁寧に灰を取り除いていく。「いずれは自分でメンテナンスも薪割りもしたい」というHさんは、高橋さんに話を聞きながら熱心にその様子を見学
鋳物製のストーブは、パーツの一つひとつがかなりの重さ。トッププレートだけで10kg以上あり、作業は2人がかりです。灰受けや、大きな炉内を保護するバーミキュライトのプレートなど、取り外せるものはすべて分解し、溜まった灰を取り除いていきます。
左：一見シンプルに見える薪ストーブだが、内部にはいくつものパーツが組み込まれている。炉内の温度を高温に保つバーミキュライトは消耗品 右：アーチ型のバッフルプレートの裏側に溜まった灰まで、業務用の掃除機でしっかり除去。灰の粒子が細かいため、家庭用の掃除機で吸うのはNG
続いて工程は煙突掃除へ。Hさん宅の煙突は壁出しなので、室内分の煙突を外して外へと移動し、専用ブラシで煙突内の灰を掻き出します。
「不完全燃焼をしていると煤にガサっとした塊が混じるのですが、これはサラサラとしているので、非常に良い状態です。灰の量も問題ありませんね」と高橋さん。煙突掃除やストーブの分解掃除は、薪ストーブの健康診断のようなもの。Hさんもこの結果にひと安心です。
最近の煙突掃除は、下から煙突内に専用のブラシを差し込んで、溜まった煤を掻き出すスタイル。薪の燃やし方が悪いと煙突の先から煤がたくさん排出されるが、Hさん宅はほんのわずか。ここでも焚き方の善しあしが判断できる
しっかりと養生をして室内側の煙突を慎重に外し、掃除のために外のデッキへと運び出す
煤は煙突の曲がった部分に溜まりやすいので、室内側からブラシを入れてクリーニング
今回の掃除で煙突から出た灰は、きめ細かでサラサラとした良い状態。これは燃えカスで使い道がないため、札幌市の場合は不燃ごみとして処分
炉内の白っぽい灰は、畑の土壌改良や融雪剤代わりなどに使えるので、ある程度残しておくと重宝する
ひと冬分の上質な薪を自宅に届けてもらえる
薪の部門「リンクウッド」では、特別会員制度であるリンクアップクラブメンバー向けに薪の製造・販売も行っています。プロ目線で長さや太さ、木の状態などの基準を定め、一定の乾燥期間を設けた100％道産材の薪です。
Hさんは今回、この冬に使う予定で3㎥の薪を注文しました。これだけの量を自分でつくって積み上げるとなるとなかなかの重労働ですが、一方で薪割りは運動やストレス解消にもなり、薪ストーブ生活ならではの楽しみという側面も。「一部だけ自作するなど、このサービスを上手に利用して、薪づくりを無理なく楽しんでいただきたいですね」と高橋さんは話します。
今回運び込んだのは3㎥。このトラックに積める量は4㎥で、それ以上の注文の場合は2往復して配達する。荷台の薪は両端を互い違いに積み重ねた井桁積みにして、移動中に崩れないように工夫している
Hさんの家は、トラックでも通行しやすい幅の広い道路に面した立地。また薪棚のすぐ近くまでトラックを乗り入れられるレイアウトで、薪の搬入には理想的です。搬入作業開始からおよそ40分程度で、庭とウッドデッキの2ヵ所にある薪棚の中にナラの薪が美しく積み上がりました。
この薪棚の設置場所も重要です。特に雪の多い地域では、薪を取りに行くたびに雪かきが必要な場所に薪棚があると、とても不便です。そうならないために高橋さんは「薪棚はカーポートなど屋根のある建物の一角や、日常生活の動線上に配置するといいでしょう。いつも使う動線なら、雪かきをしてありますからね」とプランニング時のポイントをアドバイスします。
薪配達専門のスタッフが慣れた手つきで薪を抱え、薪棚に次々と積んでいく。Hさん宅はトラックを薪棚の近くまで乗り入れられる好条件のため、作業がスムーズに進む
薪棚への収まり方の美しさは、プロならでは。北海道リンクアップの薪の配達サービスには、積み込み作業までが含まれている
「寒くなって薪ストーブを焚くのが待ち遠しい」と笑顔のHさん。この冬も自宅の薪棚でさらにしっかり乾燥した上質な薪が、メンテナンス済みの薪ストーブの中で、心安らぐ炎と暖をご家族に届けます。